夜には名月が拝める今日、
丁寧に見たのはこれ。
Les Hommes libres
http://www.youtube.com/watch?v=OHsjuXuWuy4
2011年の制作です。
舞台は1942年、占領下のパリ。
アルジェリア移民のユネスは、
闇の行商で生活しているのですが、
そうして色々な人と出会ううち、
あのパリのムスリムの拠点、ラ・グランド・モスケ・ドゥ・パリが、
レジスタンス活動を支える場所であることに気づきます。
そこには、ユダヤ人たちだけでなく、
マグレブから逃亡してきたコミュニストなども匿われています。
ユネスは2人と仲良くなります。
1人は、アラブ音楽の(実在の)歌手、Salim Halali です。
http://www.youtube.com/watch?v=WrzTJPp13YI
彼は実はユダヤ人で、一端はゲシュタポに連行されるのですが、
ユネスたちの機転で釈放されます。
(ボビニーにあるムスリムの墓地、
ここにサリムの父の墓があると言ったのです、
もちろん嘘ですが、ゲシュタポが到着する前に、
あわてて造ったのです。
彼は戦後、パリで舞台に立ちます。
また、ボビニーのムスリム病院も登場します。)
もう1人は、コミュニストの女性。しかし、
彼女は政治犯として連行され、
パリ郊外、フレンヌの刑務所で銃殺されてしまいます。
全体としては、パリのムスリムたちが、
レジスタンス運動を繰り広げ、
その中で、ユダヤ人たちをも助ける、という話です。
彼らムスリムは、
「打倒、植民地主義! 打倒、ファシズム!」
を合言葉に、
今フランスの独立を応援することは、
将来、アルジェリア(など)の独立を勝ち取ることと等価だと考えています。
(映画の中では、
その後彼らがフランスに裏切られ、
アルジェリア独立戦争にまで発展することは、触れられていません。
でも、みんな知ってるわけです。
もちろん、ゲシュタポの言いなりに協力する、
パリの警察もよく描かれています。
ゲシュタポだけでは、
ユダヤ人一斉検挙なんて、できたはずないですね。)
1942年ですから、背景には、
一斉検挙や、トーチ作戦などもちらちら見えます。
これを教材にして、授業がしたいですねえ。
英語字幕版を買えば、できるんでしょうか??