アラン・ドロンと言えば、
わたしが高校生の頃のN.1 スターでしたが、
その彼が、ちょっとイカレタ医者を演じる、
『ショック療法』
という映画がありました。
http://www.youtube.com/watch?v=CdF26idshFc (←音楽は別物)
セレブを顧客とする、若返りのサナトリウム、
その超豪華リゾートのような施設では、
実は移民たちの生き血を抜き、
それを使って「若返りの秘薬」を作っている……
とまあコワイ話ではあるんですが、
この監督、アラン・ジェシュアは、
こういうちょっとひねった文明批判的映画を作るんですね。
これが1972年。
その彼が、1979年に作ったのが、
Les Chiens
です。
http://www.youtube.com/watch?v=vvpwBCk4q8o
こちらも、『ショック療法』に劣らずコワイです。
舞台はパリ郊外の新都市。
まだ開発が進んでいる途中で、
工事現場にはアフリカ系の移民労働者がたくさん。
町は殺風景で、おもしろみがなく……。
ただ異様なのは、犬の多さ。
それも獰猛なものばかり。
もともとは自分の身を守るためだった番犬が、
訓練の結果、殺人までするようになります。
で、
町1番の調教師、これがジェラール・ドパルデュー。
たくさんの犬を飼い、町に君臨し始めます……
こちらもやはり、ある社会不安を表現しているのでしょう。
楽しい映画じゃありませんが、いい映画だと思います。