今日は、K. ツィメルマンのコンサートに行ってきました。
オール・シューベルトのプログラムで、
7つの変奏曲
ピアノ・ソナタ 20 & 21
でした。
以前も書きましたが、
このシューベルトの最期のソナタは、
ピアノ曲の中では1番好きなものです。
素人なりに感想を書けば……
20番は、わたしが知っている中では、
一番早かったように感じました。
きびきびというか、
ほとんどドライブ感ともいえるものを感じました。
それはそれで、おもしろかったです。
でも第4楽章も同じようなスピードで始まったので、
あの終わり近くの休符は……
と思っていたのですが、
難なく、きれいに着地しました。
深い陰影というより、
音と生命力を優先させているのでしょうか。
21番は、オーソドックスな演奏。
ただ、長い第1楽章の後半は、
少しスピードを上げていたように感じましたが。
背景の和音が、裏のテンポに来るときの音が、
うまく浮き上がっておもしろいと思いました。
また、これは両方の曲に言えることですが、
ペダルの使い方が、
あまり見たことがない感じで、
たとえば右手の音は伸び、
左手は伸びない、
ということが、割とよくありました。
こんなのもあるんですね。
アンコールはなし。
でも、この曲目なら、
アンコールはないほうがいいと思います。
こんな大曲のあとに、
モーツァルトの小品なんて、
まったく合いませんから。
そして今日思ったことの一つは、
たとえば20番は、
ポリーニや、ブレンデルや、
あるいはとてつもなくゆっくりなアファナシェフなどの演奏を聞いてきて、
それに今日のツィメルマンを加えることになるわけですが、
聴き手としては、
そうしたさまざまな演奏のヴァリエーションの幅こそが、
この20番という曲であるという面があるのではないか、
ということでした。
いろいろ聞いて、
これが1番、ということももちろんあるでしょうが、
むしろ幅の中に、
1つの曲の可能性が感じられるというか……
コンサート・ホールが、ちょっと遠かったのですが、
やっぱりライヴはいいものですね。