知らない人はいない名作、
『七人の侍』(1954)
これも久しぶりに見てみました。
(『ゴジラ』と同じ年の制作です。)
207分。
つまり3時間以上の長編ですが、
おもしろいので飽きません。
これは昔も感じたのですが、
ところどころ、
特に「百姓」たちが話す(あるいは怒鳴る)シーンでは、
日本語が聞き取れませんでした。
(日本語字幕が欲しかった!)
志村喬や三船敏郎のセリフは問題なく聞き取れるので、
なにか差があるのかもしれません。
ほぼ完全にホモ・ソーシャルな世界の話なんですが、
「七人」の中で最年少の勝四郎は、
かなり両性的に描かれていました。
つまり、死を覚悟すべき最終決戦の前夜、
村の少女と初体験をするのですが、
一方、彼の久蔵(無口な剣豪)に向ける憧れの視線は、
少女に向けるものよりもむしろ熱がこもっているように見えるのです。
「七人」の中では、この勝四郎だけが、
花に包まれるように映し出されることが何度かあります。
たしかに素晴らしい映画だと思いましたが、
ただラスト、
「七人」のリーダーである勘兵衛(志村喬)が、
これは負け戦だ、勝ったのは百姓たちだ、
と、死んだ仲間の墓の前でつぶやく場面があるのですが、
あれはいらないでしょう。
説明的すぎるし、墓を見れば、
それははっきり分かりますから。