2023年2月13日月曜日

『ロビンフッドの冒険』

つい先日見た『隠し砦の三悪人』は、
いわゆる「スワッシュバックラー」映画に含まれると考えられます。

「スワッシュバックラー」というのは映画のジャンルの1つで、
とても切り詰めて言えば、
要は「チャンバラ」だと言えそうです。
この論文では、
まずその定義が試みられています。


そして論文のタイトルから明らかなように、
このジャンル、
現代でも使われているわけです。

で、この「スワッシュバックラー」の古典の1本、

『ロビンフッドの冒険』(1938)

を見てみました
古い映画ですが、カラーです。


エロール・フリンとオリヴィア・デ・ハヴィランドが、
絵に描いたような美男美女で、
いかにも往年の映画スターという感じです。
映画自体もふつうにおもしろくて、
85年も前も今も、
やっぱりおもしろいものはおもしろいんだなと、
あらためて思いました。

舞台は、
ノルマン・コンクエスト(1066~)後のイギリス。
ギヨームⅡから数えると、
曾孫に当たるリチャード獅子王の時代。
このリチャード獅子王が、
十字軍参加のためイギリスを離れている間に、
弟のジョンが王位を奪おうとします。
けれどもそれを知ったロビンフッドたちサクソン人が、
ジョンの暴走を止め、
リチャード獅子王の帰還を言祝ぐ、
そして最後は、ロビンフッドが、
リチャード獅子王の被後見人であるマリアン姫と結ばれ、
めでたしめでたし、というお話です。

おもしろいんですが、
1つ「エンタメ」感が強く感じられるのは、
全編英語であること。
だって、この時代、
特にこの物語に出てくるような「上流」の人たちは、
みんなフランス語を話していたはずだからです。
そもそもリチャード獅子王もジョンもノルマン人だし。
(まあね、
『太陽と月に背いて』では、
パリのカフェで、
ヴェルレーヌとランボーが英語で話してましたから!)