2023年2月26日日曜日

『宮本武蔵 二刀流開眼』

内田吐夢の宮本武蔵シリーズ、
今回は第3作、

『宮本武蔵 二刀流開眼』(1963)

を見たのですが、
これは…… タイクツでした。
残念。

まず、内田吐夢監督の良さである「絵」の魅力が、
今回はあまり感じられない。
予算の都合なのか、
あまりデキのよくなセットでの撮影で、
第1作のような抜けてゆく感じがほとんどありませんでした。
また、物語も平板。
しかも、あり得ない偶然の出会いが立て続けに起こるし、
レイプはあっても、
それ自体が問題になることはありません。
さらには、主人公である武蔵の自己中心的なところがすごく顕在化して、
好きになれない。
彼には、自分を慕うこどもや女性たちへの想像力が欠如しており、
自分の「剣の道」こそがなにより重要だと考えているわけです。

少しだけおもしろいのは、
佐々木小次郎(高倉健)のキャラ。
突出して「おしゃれ」で、
他の人物のように「男性」的ではありませんでした。

第3作まで見てきましたが、
この辺でザセツしようかと思います。