今日の授業では、『ニキータ』のシナリオを読みました。これ、実はかなり難しい部分もあって、2年生たちは苦労しているようです。そのうちの一つをご紹介しましょう。
ニキータは、一人前の工作員になるためにさまざまな訓練を受けるのですが、その一つに「女であることを乱用する訓練」があります。先生は、ジャンヌ・モロー(画像。これは若い頃)です。
モローと言えば、わたしにとっては、かつての『死刑台のエレベーター』や『小間使いの日記』などが思い出されます。『ニキータ』のモローは、もうかなり年配です。
さて、モローはニキータに「微笑み」の効用について話したあと、ニキータが自分の手を見ているのに気づきます。
わたしの手を見てるのね? 昔はきれいだったものよ、それが今は、ほら、手がわたしを裏切ってるの。(elles me trahissent)
これは、trahir「裏切る」という動詞です。でも、「手がわたしを裏切る」って?
もちろん、今はスベスベピカピカとはいかない自分の手が、若くてキレイだったわたしを、あるいは、今もそれ以外の部分はそれなりに若く見えるわたしを、裏切っている。つまり、手を見れば、今のわたしの衰えは隠すべくもない、ということなのでしょう。
(こんな感じの表現に初めて会ったのは、まちがいなくボードレールの詩だったのですが、悲しいかな、どの詩だったのか思い出せません!)
まあ日本でも、手と首は出ちゃう、なんて言います。それはフランスでも変わらないようです。(あるフランスの大手化粧品会社のエライ人で、人前では決してスカーフを取らない人もいるようです。)
そういえば今日、わたしも「生命力テスト」に裏切られました。yahoo のトップページにあった、20秒くらいでできるテストです。ほんの冗談でやってみたら、なんと「あなたの生命力はゼロ」! ま、そんなに多くは期待してませんでしたが、ゼロとは!? もしかして、もう生きてない?(ケンシローにやられたか?)
でも、おかげ笑ったので、元気が出ました! ゼロなら、これ以上下がらないしね。
というわけで、今週もお疲れ様でした。ではみなさん、bon weekend !