2015年7月3日金曜日

『仁義』

ジャン=ピエール・メルヴィルの、1970年の作品、

『仁義』

を、30年ぶりくらいに見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=WPUaXBnqXpI  全篇版

原題は Le Cercle Rouge(赤い環)。
これは冒頭の、仏陀の言葉とされるこれ、

Quand les hommes, même s’ils s’ignorent, doivent se retrouver un jour,
tout peut arriver à chacun d’entre eux,
et ils peuvent suivre des chemins divergents ;
au jour dit, inexorablement, ils seront réunis dans le cercle rouge.

人は、それとは知らずにいつか出会うものだ。
とはいえ彼らの一人一人の身の上には、
どんなことでも起こりうるし、
だから彼らの道はバラバラなものになるのだろう。
しかし、その日が来たなら、
彼らは容赦なく再び一つになるのだ、赤い環の中で。

の最後の「赤い環」から。
まあ、日本語で言う「赤い糸」のニュアンスに近い感じもあります。
あえて言うなら、「宿命」でしょうか。
脱獄した男と、刑期を終えた男と、
汚職と酒で人生をダメにした元刑事と。
赤い環は彼らを繋いで見せます。
(とりあえず、「仁義」とは関係ないですね。)

2時間以上の大作で、
中盤、ヴァンドーム広場のモーブッサンを襲うシークエンスでは、
なんと30分近く会話がありません。
また冒頭の7分も会話なしです。

そしてその冒頭ですが、
これは、マルセイユ・ブロンカルド駅です。
今は、メトロやトラムが通る駅ですが、
70年には、まさに「フツー」の田舎駅です。
もちろん、それはそれでいい感じです。