今日の東京は、
ほんとに久しぶりに晴れて、
やっぱり晴れるといいですね。
で今日見たのは、
Rengaine (『いつもの決まり文句、聞き古された歌』)
です。
https://www.youtube.com/watch?v=83Q1COSEnUg
黒人で、キリスト教徒で、
役者志望だけどほとんど仕事がないドルシーと、
アルジェリア系で、ムスリムで、
40人もの frères がいるサブリナは、
もう1年付き合っていて、
ついに二人は結婚しようということになります。
が、
二人それぞれが属しているコミュニティーには、
「黒人とアラブは結婚しない」
という鉄の掟があり、
それが二人の前に立ちふさがります。
この映画は、
そうした周囲の守旧派たちと、
若い二人の相克を描いているわけですが、
それはいわばエピソードの連なりとして在って、
いわゆるストーリーを形成してはいません。
もちろん周囲の反応と言っても、
そこにはさまざまな温度差があり、
そのへんが見どころと言えるでしょう。
特にサブリナ側では、
長兄のスリマンが、もうどうしようもなく反対するのですが、
実は彼には秘密の恋人ニナがいて、
彼女はユダヤ人なのです。
彼はそれをみんなに隠したまま、
サブリナの結婚を止めさせようと動くのですが、
やっぱりニナを前にすると、
自分の自己矛盾に苦しむのです。
しかも、黒人でゲイの友人は、
ニナがユダヤ人であることをどこからか知り、
スリマンの矛盾をなじるのです。
ハンドカメラを多用し、
またクロースアップも多い作りで、
それは、見ているわたしたちを、
当事者として巻き込む効果があるようです。
先日見たL'amour sur place ou a emporter も、
黒人男性とアラブ系女性のカップルが描かれていました。
共通する部分ももちろんありますが、
とにかく全体のトーンはずいぶん違います。
それは、主人公たちの属しているコミュニティーの違いから来るのか、
それとも、彼らの階層の差そのものから来るのでしょうか?
*ドルシーの自宅:23 rue André Barsacq