2015年7月19日日曜日

Rue Mandar

3人のベテラン俳優、
サンドリーヌ・キベルラン、
リシャール・ベリ、
エマニュエル・ドゥヴォス、
を揃えた映画、

Rue Mandar (2013)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=gCckThSCLmo

監督は、女優としての活動がメインである、イディット・セブラ。
(ふつうに発音すれば、「スビュラ」ですが、
日本での表記にならいます。)
彼女の両親は、ポーランド系ユダヤ人で、
wiki によれば、1950年にフランスにやってきたとなっています。
そしてこの映画は、
まさに、そうしてフランスに移民してきた母親が、
パリ2区のマンダール通りで亡くなるところから始まります。
このユダヤ式のお葬式のために、
3兄弟が久しぶりに集まるのです。

主人公と言えるのは、末妹のエマ。
彼女は今、イスラエルに住んで、翻訳業をしています。
「イスラエルにいると、ちょうどいい靴を履いているような気がする」
と彼女は言うのです。
で、3人の間の大きな問題は、
母が住んでいたそのアパルトを、
売るのか売らないのか、ということです。
思い出もあり、ある種の故郷でもある13番地のアパルトは、
今はなかなかいい値で売れそうなのです……

素材はおもしろいし、
途中からは、13番地のかつての住人の息子が現れ、
そのスペイン系移民の家族とのつながりあたりは、
興味深いのです、が、
なんというか、演出が全体にゆるい感じ。
わたしが特にマイナスだと感じるのは、
長女を精神科医に設定した点。
彼女のセリフは型通りで、今更感があります。
またヒロインも、
大事なポイントは実質モノローグで語られ、
行動によって示されることはありません。

いい俳優たちを使ったのに、やや残念でした。

*サンドリーヌ・キベルタンも、ポーランド系ユダヤ人の家系です。
リシャール・ベリは、アルジェリア系ユダヤ人。