2021年10月24日日曜日

『雌猫たち』

金曜は、恒例の「会議デー」で、
Zoom会議×3、だったのですが、
今日もまた、2時間ほどZoomでした。
といっても今日の場合は、
レナさん、そして白水社の編集の女性とだったので、
これは楽しい打ち合わせでした。
新しい企画、進行しています。が、
まだ手探りの部分があり、
3歩進んで2歩下がる、という感じ。
でも、すでにある素材はとてもいいと思うので、
これをうまく形にしたい、と考えています。
文字通り、3人で知恵を出し合っています。
がんばろう! オー!

で……

今日は、これで何本目でしょう、
白石和彌監督の、

『雌猫たち』(2017)

を見てみました。
(ネトフリです。)
「日活ロマンポルノ」の、45周年記念の企画だそうです。


結論から言うなら、とってもよかった。

主人公は3人の女性たち。
彼女らは、池袋のデリヘルで働いています。
雅子は、大卒後就職、そして退職後借金を作り、
今は住む部屋もないまま漫喫などを転々とし、
デリヘルの日銭で凌いでいます。
彼女の常連客は、
もう10年も外に出ていないという男。
彼はビル持ちで、収入はあるのです。
この、生の現実と向き合おうとしない男と、
雅子はどんな関係を築けるのか。
二人目は結衣。
シングル・マザーである彼女は、
幼い息子を虐待しており、
一方やっとできたカレシ(お笑い芸人)には、
彼女自身が虐げられそうな強い予感が漂います。
3人目は美知枝。
自分が不妊ゆえ夫は浮気に走り、
自暴自棄になってこの仕事へ。
そんな彼女をいつも指名してくるのは、
妻を1年前に亡くした老人。
ただ彼は、なにもしないのです……。

軽い気持ちで見始めたのですが、
「現代」の、翳った肖像が次々に現れ、
引き込まれました。
「ロマンポルノ」ですから、
それ用のシーンは繰り返し現れるのですが、
その一つ一つが、
異なる意味、ないし文脈を背負っていて、
その辺はかなり技巧的だし、
また深さもありました。

池袋も、いい感じでした。