『ミナリ』(2020)
その頃話題になっていたのですが、
コロナで映画館に行くのをためらっているうちに見逃したのですが、
早くもアマプラに登場したので、
さっそく見てみました。
これは、アメリカに移住した韓国系移民家族の物語です。
日本の公式HPなどには、
「1980年代」
と書かれていますが、
調べてみると、どうやら
「1983年」
が舞台のようです。
劇中でも、レーガン大統領の名前が出てきます。
わたしには、
この年号が真っ先に気になりました。
というのも、この家族の中心である夫婦は、
もう10年カリフォルニアでがんばってきた、
と話すからです。
つまり、1973年から83年までということで、
これはつまり、
軍事政権時代に韓国を離れ、
(光州事件を挟み)
祖国の民主化(1987)はいまだ達成されていない、
ということを意味するからです。
この『ミナリ』の物語は、
そういう、いわば過渡期にあった韓国が、
背後にあるわけです。
実際、途中からこの家族に合流する祖母は、
そういう韓国を離れてきたわけです。
(そしてこの祖母の夫は朝鮮戦争で亡くなり、
また、現地アーカンソーでこの家族を助ける男性は、
朝鮮戦争に従軍したもと兵士です。)
いい映画だと思うし、
最後まで集中して見られたのですが、
わたしにとっては、
好みのタイプの作品ではなかったかな。