2021年10月30日土曜日

『ヒューマニティー通り8番地』(再)

もちろん日本語タイトルは、

『ユマニテ通り8番地』

とすべきだったと思いますが、それはともかく。

先日、
この映画はおもしろくなかった、
と書きましたが、
その気持ちは変っていません。
ただ、備忘録的に、
いくつかのエピソードを書いておくことにします。

・犬を貸す少年
ロック・ダウンの最中は、
「外出許可証」がないと、出かけられません。
でもどうやら、犬の散歩程度なら、
まあ許されるようで、
そこに目を付けた少年は、
自分が飼っているわけでもない犬を、
「外出許可証」を持っていない人たちに貸すことを思いつきます。
この犬を連れていれば、
犬の散歩ですという言い訳ができますよ、というのです。
ちょっとおもしろいですね。

・移民系の女性
登場人物たちは、1つのアパルトに暮らしていて、
外出禁止をきっかけに、
「知り合い」になってゆきます。
(それまでは、たとえ同じアパルトにいても、
おたがい「知らない人」同士。
「都会的」です。)
で、そんな中、
一人の女性だけは仲間に入ってきません。
移民系の彼女は、
夜になると、バイクで出かけていくのです。
それを怪しんだ住民たちは、
彼女のことを警察に通報します、怪しい人がいる、と。
しかし、いざ警察が来て彼女に問いただすと、
実は彼女、近くの大きな病院の医師で、
夜間の勤務が多い、そして、
コロナを移す危険を避けるため、
あえて住人たちと距離を取っていた、と……。
ここには、単純ですが、
移民系の一人暮らしの女性は、
夜に「怪しい」仕事をしているに違いないという、
古めかしい偏見が描かれています。
つまり、今も残っているということでしょう。

・コンシエルジュ夫婦
ポルトガル語を使っているようです。
変ってません。
ただし、夫は「フランス人だ」と言っていますから、
二(~)世なのでしょう。

その他の登場人物たちも、
ほとんどみんな、
何らかのタイプの戯画のようです。
ただその戯画が「浅い」ので、
おもしろくないわけですが、
まあ、こういう映画は、
これがフランスのステレオタイプね、
という感じで見ればいいと思います。