2021年11月28日日曜日

『アンダーカバー:秘密捜査官』シーズン1

先にスピンオフ映画『フェリー』から見始め、
今日やっと、シーズン1を見終わったのが、

『アンダーカバー:秘密捜査官』

です。
『フェリー』の舞台はアムステルダムでしたが、
今回は、オランダ国境沿いにあるベルギーの町、
ロンメルが舞台です。
フェリーをボスとする麻薬密売組織は、
ロンメルのキャンプ場を根城にしているのですが、
そこに、男女二人の覆面捜査官、
ペーターとキムが潜入し、
フェリーたちと仲良くなり、
最後は、偽の「仕事」を持ちかけてはめようという作戦です。

フェリーは単なる「太ったおじさん」にも見えますが、
その独特な風貌はなかなか魅力的です。
こんな家業だし、誰も信用してないし、
酒が入ると特に家父長的態度が丸出しですが、
誠実な人間で、妻を愛し、
受けた恩を忘れない人間でもあります。
(イーストウッドの描く人間が、
「差別的でいい人」なのが思い出されます。)
そして、フェリーの妻がダニエル。
キャンプ場で一人暮らしし、
夜店の売店で働いていた彼女が、
ある晩、元彼にしつこくからまれていたところを、
居合わせたフェリーが助けたのが、
二人が仲良くなる初めでした。
この恋愛は、何度も頓挫しかかったのですが、
ぎりぎりのところでうまくいったのです。
ただダニエルは、今も、
夫の仕事についてほとんど知らされていません。

このドラマ、マフィア物なのに、とても静か。
銃撃戦や乱闘シーンはほとんどありません。
でも、なぜか、
するすると最後まで見てしまいました。
もちろん、潜入捜査の成否もサスペンスを作りますが、
ドラマの後半で気づいたこと、
それは、ダニエルが気になるということです。
というのも、なにも知らない彼女は、
女性捜査官であるキムに誘惑され、
レスビアンとしての自分に目覚め、
キムを愛し始めるのです。

(左がダニエル)


そしてキムは、苦しみます。
麻薬組織撲滅のためとはいえ、
素朴なダニエルを、深くだましていることに違いはないからです……

まさか、
こんな隠し球が用意されているドラマだとは思っていませんでした。
わたしはおもしろかったです。
(映画『フェリー』を先に見ておいてよかったと思っています。
映画の方が、時間的に前だし、
フェリーやダニエルのことが、
よく分かってみる方が、
まちがいなく味わい深いからです。)

シーズン2に入ります!