今日は、朝のうちイマイチの天気でしたが、午後からは梅雨の晴れ間に恵まれました。金曜日の授業は午前中に終わるので、午後はずっと、大学の片隅の、小さな研究室で過ごしました。実は「まいにちフランス語」の8月号のCD収録が、3日後に迫っているので、その最後の準備をしていたのです。(収録の模様は、月曜にご報告します!)
(ただ、ひとつ気がかりなことがあります。この10年ほど、「フラ語」シリーズを中心にずっと一緒に仕事をしてきた編集者であるスーさんが、今日プチ手術を受けたのです。がんばれ、スーさん!)
さて、そんな静かな午後3時ごろ、ひとりの学生が訪ねてきました。いや、S君はもう学生じゃなく、大学院生でした。そう、学部の2年生だったとき、彼はわたしのフランス語に授業に出ていました。
「久しぶりだね!」
「先生と、飲み会やりましたよね!」
「養老の滝だっけ?」
「読売ランド前。黒田先生も来てくれて」
「黒田先生」とは、今「まいにちロシア語」を担当なさっている、「カリスマ語学教師兼(日本で唯一の)語学評論家」、黒田龍之助さん(写真)のことです。その当時、S君のいたクラスの英語(も教えられるんですね!)を黒田さんが、フランス語をわたしが、担当していました。で、こうなったら合同飲み会にしちゃえ! みたいになったのでした。わたしにとっては、ああいう「合同」はあの時だけなので、とても鮮明に覚えています。
「で?」
「小学校の先生目指してます」
汗を拭きながら答えるS君を見ていると、これから彼が生きるだろう長い時間が、なんというか、祝福に満ちたものであることを祈らずにいられません。大学の教員の喜びの一つは、こんな出会いにあります。
「また飲みましょう」
「いいね!」
「黒田先生も誘って」
「当然ね!」
黒田さん、くしゃみでませんでした? 午後3時頃です!
(これを書いた翌日、黒田さんと連絡が取れました。「昨日の午後3時ごろは、NHKの収録を終えて、エカテリーナさんと渋谷まで歩きながら、ロシア語でおしゃべりしていましたね。そういえばセンター街を通っているときに、突然くしゃみをしたような…」 やっぱり、くしゃみしてました!)