2015年6月3日水曜日

『ウエポンズ』

ラシダ・ブラクニ繋がりで、
彼女が出演している映画、

『ウエポンズ』(2008) Secret défense

を見てみました。
こんなタイトルですが、フランス映画です。

https://www.youtube.com/watch?v=A_CMBJset_4    ①

https://www.youtube.com/watch?v=VRxwKghb5N4   ②

主な舞台は、フランスの対外治安総局(DGSE)。
スカウトされ、諜報員となった若きディアーヌは、
使命を帯びてベイルートへ。(→①)
一方、元アブニダルにいたテロリストに率いられた組織は、
フランスのやさぐれた若者ピエールをリクルート。
彼を訓練したのち、
ホームグロウン・テロリストとして、
パリへ送り込もうという計画。(→②)
そしてディアーヌが与えられた使命とは、
もちろん、このテロ攻撃を防ぐこと。
さて……

というわけですが、
実はDGSE の教官(ジェラール・ランヴァン)など、
ほかに登場人物も多く、
わりと複雑な作りです。
誰がどこまで真実を話しているのか、
最初はわからないし。

中で印象に残ったのは、
(もちろんそうなるように作られているのですが)
フランス人であり、DGSE の局員であり、
ムスリムである若者です。
彼は、同僚が殺されたとき、
彼女を売ったのではないかと疑われ、拷問を受けます。
が、やがて「シロ」だと判明。
彼はそれでも、「フランス」のために協力し、
イスラム過激派に対しては、
「おまえたちはイスラムの恥だ」
と言い切ります。
(ただテロリストは、そんなセリフは聞き飽きた、と応じ、
フランスでのこうした議論の日常性を示しもします。)
彼の存在は、
映画がPC 的なバランスを失わないために、不可欠でしょう。

で、問題のラシダですが、
彼女はその殺される同僚なのです。
彼女は見てわかるアラブ系ですから、
彼女の存在もまた、PC 的にも大きな意味があります。
登場時間は短いのですが、
さすがに印象に残る演技でした。

この映画、少しこれと似ています。

http://tomo-524.blogspot.jp/2014/11/blog-post_86.html

でも、『ウエポンズ』のほうが、
より現代的に感じられました。

ちなみに、ジェラール・ランヴァンは、
この映画の主役でもありました。

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/06/les-lyonnais.html