先日、
Un p'tit gars de Ménilmontant
を見て、ここにも書きましたが、
見た後になって、日本版、
『友よ、裏切りの街に眠れ』
があることに気づきました。
そして、見てみました。
(それにしても、このパターンのタイトルには閉口します。
もう、どれがどれだか全然わからなくなります。
せめてどこかに、「メニルモンタン」を入れてくれないと、
他との差異がわかりづらいです。)
もうストーリーは知っているし、
日本語字幕だしするので、
ゆったり見ることができました。
そしてあらためて気づいたのは、
主人公ジョーと、かつての恋人マリアンヌ、
二人の子供ユーゴ、
マリアンヌの今のパートナー、フィリップなど、
ヨーロッパ系白人の登場人物が限られており、
彼らを取り囲むように、
アラブ系とアフリカ系の若者たちが分厚く配されているということです。
ジョーがいない15年の間に、
メニルモンタンは変わってしまった。
どう変わったのか?
それは、移民系の若者たちが我が物顔にのし歩き、
麻薬を売りさばく街になった、ということです。
映画内で、ワルたちは3層に分けて描かれます。
まず、ベルカスが中心となる、19, 20歳くらいのグループ。
その下には、ナシムをリーダとする16,7歳のグループ。
そしてさらに下には、13, 4歳のグループがいます。
どのグループも、アラブ系とアフリカ系がほとんどです。
特にナシムは、妹のサミアや母親も描かれ、
彼の暴力と生きづらさが両方伝わってきます。
また、ジョーのかつての相棒マルクフもアラブ系で、
ジョーが対立するグループはロマです。
(こう見てくると、アジア系がいませんが。)
メニルモンタンに生きるワルたちの、
アラブ系とアフリカ系の台頭、
そして低年齢化。
こうした事実を前に、ジョーは言います。
「おれは、もうオレのではない家族、
もうオレのではない街にしがみついてるのさ。
でも、ほかの土地で始めるのはきついよ」
彼には、メニルモンタンしかありません。
マルクフのカフェは、Google マップで探したところ、
108 rue de Ménilmontant の、
Chez Luna でした。
ちょっと、行ってみたいですね。