2020年8月23日日曜日

『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した』と2本のケン・ローチ映画

 このところ、

「ギグ・ワーク」や「ギグ・エコノミー」という言い回しを見かけます。

どうも、まだはっきりと定義されてはいないようですが、

要は、単発の仕事、それによって支えられる経済のあり方、

くらいのところなんでしょう。

ワークの方の代表は、ウーバー・イーツだと言われるようです。


ただこの形態、一見「かっこいい」とも言われ、

またデザイナーなどクリエイティブ系の仕事も、

そういう名称で呼ばれることがあるため、

むしろプラスのイメージを持っている場合もあるのでしょう。

けれど、

ウーバーは同じではありません。

ウーバーのドライバーは「従業員」ではなく、

「個人事業者」なのです。

つまり、団体交渉もできないし、

事故っても自分で処理しなきゃならないし、

つまり、法的にまったく保護されないわけです。

『家族を想うとき』の主人公もまた、

絵にかいたようなギグ・ワークの中にいました。

そんな仕事しかなかったからです。

またヘルパーをしていた妻の働き方も、

ギグ・ワークと呼べるものでした。

二人は人生の時間と尊厳を奪われていきます……。


『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した』

の中には、ウーバーのドライバーの過酷な労働が紹介されています。

そしてまたこの本は、

アマゾンの倉庫での、

異常に管理された労働も紹介しているのですが、

このイギリスの倉庫では、

イギリス人は少数で、

東欧からの労働者がメインだと言います。

ああ、これはまさに、

『この自由な世界』とぴったり一致しています。


イギリスには、

(良くも悪くも)

学ぶべき点が多くあるようです。