2024年8月21日水曜日

Alain Delon

アラン・ドロンがなくなりましたね。
晩年は極右になって、
わたしも彼の活動を追いかけることはしませんでしたが、
ある時期スターだったことは、事実です。

今思い出してみて、
一番印象に残っているのは、
『太陽がいっぱい』のすぐ後に公開された、

『若者のすべて』(1960)

かな。
若きヴィスコンティの作品で、
映画そものものよかった。
確か大学生の頃、試写を劇場でみたんですが、
すぐ近くに、田中小実昌がいたのを覚えています。

そしてこれは有名なエピソードですが、
死刑宣告を受けたこともある「本物のワル」であるジョゼ・ジョヴァンニ
(彼は小説家や映画監督としても有名)
が、アラン・ドロンについて、
「あいつの目は、本物の悪党の目だ」
と言っていたことです。

大昔、パリの大きな通りの横断歩道を渡っていた時のこと、
先頭に、すごく大きくて真っ黒のシトロエンが止まっていました。
歩道を渡りながらふと車の内部を見ると、
助手席にアラン・ドロン!
あ! と思って2.3歩戻ると信号が変わり、
彼はニヤッと笑って風のように走り去りました。

また別の昔、
アラン・ドロンが来日した際、
大学院の女性先輩が通訳として付き添うことになりました。
サインもらってきて!
いいよ!
となったんですが、
ごめん、まったく言える雰囲気じゃなかった、
という結末。
彼女曰く、
ずっとピリピリしてたと。
何か仕事のことがあるのかもしれませんが。

高校生の頃は、
ベルモンドよりアラン・ドロンが好きで、
『暗黒街の二人』
『個人生活』
『ブーメランのように』
などは、劇場で来た記憶があります。
『個人生活』は、
むしろシドニー・ロームの方が印象に残りましたが。
そうそう、あれは中学の時、友達と
『さらば友よ』
を見に行ったのを思い出しました。
新宿ミラノ座でした。
ただ、今確認したら1968年となっているので、
リヴァイヴァル上映だったんでしょうか。
当時はそういうのも多かったです。

『冒険者たち』(←原作ジョゼ・ジョヴァンニ)は、
昔見てまあまあだと思ったんですが、
その20年後くらいに見直したら、
ぜんぜん退屈で、
自分の感想の変化に驚いたことがあります。

逆に『サムライ』は、
のちに見直した時も、割といいと思いました。
メルヴィルだしね。
クルマを盗むシーンで、
鍵たばから順に1つずつ試していくシーン、
印象的です。

ああ、なんだか、
そんなつもりなかったのに、
いろいろ書いてしまいました。
結局、たくさん見てるんですね。
やっぱり、スターはスターですね。
(極右は嫌ですけど。)