昨日の合同ゼミ発表会は、なかなか楽しいものでした。「写真」と「ドキュメンタリー」ゼミの作品を見て、それぞれのゼミの雰囲気や方向が感じられたし、なにより学生たちが、友達はこんなゼミやってたんだ、という感じで、ある種の(ふだんのおしゃべりとはちがう)交流を果たせたのが、よかったなあと思うわけです。
今年の「ドキュメンタリー」作品は、「学食シリーズⅡ」として、昼食時の1番込む時間、うどんを食べるなら「学食」と「めん処」とどっちが早い? をテーマにしていた。マドンナのLove Profusion(♪あまりに多い選択肢)がSlowly(♪時はあまりにゆっくり流れる)に代わってゆくオープニングから、行列には「旅」の歌が重ねられる。楽しい作品でした。ここには、わたしのフランス語の授業に出ている学生もいて、なんだか違う授業で会うのって、面白い感じがするものです。
「写真」のテーマは「うまく言えない」。色んな写真があったけれど、中に、ああこの子は表現したいんだな、と感じさせるものもありました。ただ本人も、何を表現したいのか、まだはっきりは分からない感じ。でも、表現したい、という気持ちはあって…… どんどん迷って、どんどん大きくなって欲しいです!
この「うまく言えない」で思い出したことが、1つ。知り合いのデザイナー(主にブック・デザイン。企画本を出すことも。仕事は順調。30台後半。でも見た目は20台。独身女性。猫3匹と暮らす。)は、今ある男性と付き合いかかっています。この「かかっている」ところが問題。彼女は彼が大好きで、とっても付き合いたい。でも、彼はすごく忙しくて、奥さんとの離婚問題でもゴタゴタしてる。だから、とても自分からデートしようなんて言えないので、彼が誘ってくれるのを待って、待って、でやっと誘われたときの返事のメールが、
「『OK. じゃ、明日。』になっちゃうの。そっけないでしょ? でもほんとはね、この10倍くらい打って、ああでもこんなこと言うとウザイかも。これも直接言えばいいし、これじゃ都合のいい女だと思われるし……って削っていくと、いつもこれしか残らないの……」
うまく言えないにもホドがある! でも、学生たちにこの話をすると、どうもかなり共感が広がる風情なんですよねえ。おお、こんなに「うまく言えない」人が多いとは! まあもちろん、わたしもよく分かるので、この話が印象に残っているんですけど。
◇
さて、今日のレナさんの歌、いかがでしたか? 可愛かったですよね? 今日のような、フランス人ならみんな知ってるけど、なかなかメディアには登場しない、というような歌を紹介してゆくつもりです。これからしばらく、毎週水曜はこのコーナーを続けます。どうぞ楽しんでください!