白水社、という出版社をご存知でしょうか? いわゆる「フランス」関連の出版社としては、1番大きいのかもしれません。わたしの場合、この白水社には、ひとかたならぬお世話になっています。初めて作った教科書こそ違う出版社でしたが、そのあとはほぼずっと、白水チルドレンとなっています。
昨日の昼休み、その白水社の営業のFさんが、わざわざ大学まで挨拶にきてくれました。(もちろん、わたしだけのところに、というわけではなく、色々な先生たちに、ということですが。)Fさんは、そろそろ不惑を迎える男性で、とても頼りになる営業担当です。忘れられないのは数年前、東京のかなり奥から、会社の近くに引越ししたときのFさんのセリフです。
「やっとこれで、心置きなく残業できます!」
Fさん、これからもよろしくお願いします!
ところで白水社には、たくさんの知り合いがいます。どこかわたしの父親に風貌が似ているOさん、仕事は5時きっかりにやめ、すぐさま飲みにかかるものの、ヒット作の絶えないKenちゃん、TVチャンピオン激辛選手権準優勝のワッキー、新旧の雑誌「ふらんす」担当の女性たち、かつて徹夜で校正に付き合ってくれたミドリさん、歳が同じHさん、宣伝のK君…… そしてその中で、1番付き合った時間が長いのが、編集のスーヤンです。
スーヤンと初めて仕事したのは、10年ほど前のある教科書でした。そしてその次が、その後に大きく影響することになった『フラ語動詞、こんなにわかっていいかしら?』。実はこの企画、もともとスーヤンが持ってきてくれたものなのです。
「いやあ、知り合いの知り合いの彼女がね、フランス語勉強し始めたんだけど、ど~しても読めないものがあるって言ってて、それが、動詞の活用形なんだって。フランス語はねえ、動詞の活用形が辞書に出てないから、最初はなかなか読めないんよねえ」
で、活用形から検索できて、しかも全部ルビがついてるっていう、そんな「動詞活用表」を本にしましょうよ、というのでした。で、どうせやるなら、動詞活用の全体像もつかまられて、覚え方のコツも紹介して…… と膨らんでできたのが、『フラ語動詞』だったのです。
でもスーヤンと酒を飲むと、ときどき、
「あの時は、まさか『フラ語シリーズ』がこんなに続くなんてねえ……」
と話すことがあります。実感です。
そのスーヤン、先日まで入院していて、ちょっと心配していたのですが、なんと今夜は、高円寺でライブをやっているはずです。(ボサノヴァです。)まあ一安心、というところです。
◇
月曜日は、最後のCD収録があります。そう、9月号です。今その準備をしています!