今日は家にいて、「新宿」のことを調べてました。前にもちょっと書きましたが、1929年(昭和4)に発表された「東京行進曲」、その「四」番の歌詞の背景が知りたいなあ、と思ったからです。
四 シネマ見ましょか お茶のみましょか
いっそ小田急で 逃げましょか
変わる新宿 あの武蔵野の
月もデパート 屋根に照る
いっそ小田急で 逃げましょか
変わる新宿 あの武蔵野の
月もデパート 屋根に照る
この中の「シネマ」、「お茶」、「デパート」が、実際は何を指しているのか、それを問題に設定してみました。
「シネマ」。これはほぼ間違いなく「武蔵野館」のようです。武蔵野館は1920に、今三越がある場所にできました。で28年に今の場所に移ってるのですが、洋画専門館として、ハイカラな人気があったようです。
「お茶」。これは確実とはいえませんが、おそらく「中村屋」です。中村屋は、1901に本郷でパン屋としてスタート。1907に新宿3丁目に支店を出し、09年に今の場所に。で、1915からは例のインド独立の闘志ボースを匿い、彼に教えてもらったカレーを出すのが1927。そしてそのために始めたのが、中村屋喫茶部だったようなのです。タイミングは、ぴったりですね。(ボース? 『中村屋のボース』(白水社)を!)
「デパート」。これはおもしろかったです。結論は3軒。三越(今のアルタの場所)、ほてい屋(画像。今の伊勢丹の場所)、新宿松屋、です。
三越は、1925に新宿駅が東口に移動するのに合わせ、アルタのところに分店を開業。(1930には、今の場所に。)ほてい屋は、大きくて立派な建物。(ただし1933には隣りに伊勢丹が建ち、2年後には吸収されます。)新宿松屋は、今の3丁目交差点から、ちょっと四谷方向に行った丸井側。実はこれ、京王線新宿駅の駅ビルだったんです。
? と思いましたよね。そうなんです、当時京王線は、こんなことろまで来てたんです! ただ松屋は、数年で撤退してしまいますが。
というわけです。なんだか、おもしろいですね? 新宿は、わたしにとては、1番なじみの都会です。でも、歌は知っていても、やっぱり調べてみないことには、往時の風景はよみがえってこないんですね。
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でなんと、明日から大学の後期の授業が始まります。うれしいなあ!(Menteur !)