ジュースを作るとします。なるべくおいしいやつを。
でもおいしいっていうのは、どんなものでしょう? もちろん、単純で、さっぱり爽やかってのも、一つのおいしさですよね。でもやっぱり、爽やかな中にも、甘さやすっぱさが複雑に絡み合い、その甘さ自体もまた何層かからなっていて、それでいて口当たりはよく、喉越しスッキリ。すぐにおかわりしたくなる。夏の炎天下でも、雪の降る露天風呂でも、場所に関係なく深い味わいが感じられる……
さあ、なんの話でしょう?
今日たまたま、「クローズアップ現代」を見ました。今日のお題は、コピペ。コピー&ペーストの是非について考え、さらに、そもそも人間の脳の活動にとって、コピペってどうよ、みたいな話でした。
たしかにわたしも、コピペを含むレポートを受け取ったことがあります。最近では、コピペを発見するソフトも開発済みらしいですね。でも、実際読んでいると、コピペはほぼ分かります。それに疑わしい部分は、ソフトなんかなくても、いくらでも検索できます。
でも、空しいんですよね、これがコピペかどうか検索までするって言うのは。
わたしは実は、コピペそのものは、基本的にいいことだと思っています。なにかを考えるときに、人の意見を聞くのは大切だし、そのテーマのどのヘンが問題になっているのかも分かります。たくさんコピペして、たくさんたくさんコピペして…… それをよ~くミキサーにかけて、つまり、色んな繋げ方をしたり、対立させたり、抜けてるピースを補ったり、なんなら一見関係なさそうな材料もちょっと擂(す)りこんでみたり…… そして最後に、それをカップに注ぐ。色合いや、形を考えて、中のジュースが飲みたくなるような、ちょうどいい器、つまり文体を使って。
もちろん先生たちが怒っているコピペは、な~んにも考えずに、ひとつかふたつのコピペをそのまま提出してくる場合なんでしょう。いや、でもその対応は簡単。大学なら、もう1回やってもらうだけです!(つまり落第ね。)
ネットは、ほんとに驚くほど便利です。かつてはロンドンの図書館の片隅で、埃にまみれてマイクロフィルムを見ていたのに、今じゃそれがネットでダウンロードできるんだよ! と、ある英語の先生も言ってました。古本だって、昔は足で探さなけりゃならなかったんです!
で、じゃあわたしたちはどうすりゃいいのか? いい材料をたくさん揃えて、なんなら素材だけじゃなく時代感覚とか<今>とかも入れちゃって、よ~くミキシング。そして……
おいしいジュースができるんですね!(とまあ、言うのは簡単なんですけどねえ……ってそれじゃダメじゃん!)