一昨日見た l'appât のヒロイン、
マリー・ジランが主役を務める、
『スナッチアウェイ』
を見てみました。
http://www.premiere.fr/Bandes-annonces/Video/Ni-pour-ni-contre-bien-au-contraire
この作品、監督はセドリック・クラピシュで、原題は
Ni pour, ni contre (賛成でも、反対でもなく)
なので、
「強奪する」を意味する邦題は、
原題からは遠いですね。
しかも、英語が使われているので、
タイトルからはフランス映画だということがわかりません。
(アメリカ映画に見えるようにしてる?)
かつかつの生活に疲れた女性カメラマンが、
たまたま紹介されたワルの一味から、
自分たちの犯罪現場を撮影するように依頼されます。
報酬に目がくらんで引き受けた彼女は、
しだいに、ワルの世界に嵌まり込んでゆく……
というお話です。
結論から言えば、おもしろかったです。
最近のクラピシュは、
この作品に比べると、
ずいぶん「大人」になったようにも思えます。
ワルは、この人たち。
ヴァンサン・エルバズ(ジャン)
シモン・アブカリアン(ルカルプ) 脇役としてよく見ます。
ジヌディーヌ・スアレム(ムース) おなじみです。
ディミトリ・ストロージュ(ルル)
エルバズは、これ ↓ で重要な役でした。
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/12/comme-les-5-doigts-de-la-main.html
スアレムはアラブ系。
アブカリアンは、現実にはアルメニア系だそうですが、
彼もまた完全に(中近東の)アラブ系に見えます。
(映画内では、小さなケバブの店を経営しています。)
そしてエルバズが好きなのは、シャン・ゼリゼ。
彼らは、いわゆる移民街ではなく、
凱旋門に近いキャバレーを根城にしています。
この辺も、監督の「パリ観」が出る気がします。
カトリーヌ(カティーと呼ばれる)マリー・ジランは、
悪に堕ちてゆくという点では、
l'appât に近い役どころと言えるでしょう。
彼女の、どこか枠を壊しそうな雰囲気が、
そうした役を呼び込むのかもしれません。