Prêt à tout、『ロシアン・ドールズ』に続いて、
アイサ・マイガの出演作、
『クロス・ファイヤー』(Les Insoumis <服従しない者たち>)2008
を見てみました。
(なんだか、邦題に対して違和感を感じることが多いのですが、
今回は、特に強く感じました。
たしかに、激しい銃撃戦の場面はあります。
ただ、そこを最大のウリにしようとしたこと自体、
チガウと思います。それは見どころの一つかもしれませんが、
ほかに焦点を当てるべきところはいくつかあると思います。)
https://www.youtube.com/watch?v=j-6R46c04KM
これは、いわゆるフィルム・ノワールの要素を、
かなり忠実に取り込んでいて、
様式としての美さえ感じますが、
そこからはみ出してゆく部分も少なくありません。
物語としては……
元エリート捜査員で、過去に仲間を死なせたことのある警視が、
あと3か月で閉鎖という、
さびれた、しかし犯罪多発地区の警察署に流れ着く。
しかし彼は、その町を根城に、
大きな犯罪が行われていることに気づき……
というわけです。
この警視を演じるのは、リシャール・ベリ。
アラブ系なのに、「見てわかる」のはほとんど不可能という、彼です。
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/09/lunion-sacree.html
そしてアイサ・マイガは、彼の部下。
この警視と巡査の関係は、ちょっとよかったです。
まず最初、聞き込みの途中に、警視がベルベル語を話すことに、
彼女は驚きます。
けれど、あるとき彼女は彼に言います、
申し訳ないけど、あなたをtu で呼ぶことはできません、と。
とはいえその後、警視に人間的親愛を抱くようになった彼女は、
警視に尋ねます。
「(アラビア語で)アラビア語は話せるんですか?」
「(以下フランス語で)君(=vous)も話すじゃないか」
「わたしはアラブ人だから」
「ぼくは以前、情報局にいたから。がっかりかい?」
「(ほほえむ)」
「ぼくが中東出身のほうがよかった?」
「(笑う)」
アイサ・マイガは完全にアフリカ系ですから、
アフリカ系アラブ人という設定なわけですね。
一方、リアルではアラブ系ユダヤ人であるリシャール・ベリは、
アラビア語が話せるわけです。
この映画には、
よく見る顔が多く登場していました。
たまには、画像でまとめておきましょう。
リシャール・ベリ。
ユダヤ人。
アラブ系(そう見えない)。
パスカル・エルベ。
ユダヤ系アルジェリア人の家系。
最近では、『もう一人の息子』でも、
ユダヤ人役でした。
http://tomo-524.blogspot.jp/2014/12/blog-post_8.html
アイサ・マイガ
オール・アティカ(モロッコ系)
彼女はなんといってもこれ。
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/01/la-faute-voltaire.html
ムサ・マースクリ。
脇役で、何度も見かけた顔です。
たいていギャング。時に刑事。