2016年8月28日日曜日

『ゼイリブ』

これも学生推薦の映画。

They live (1988)

です。
解説を見ると、
エイリアンによる地球支配が進む中、
主人公は、エイリアンの姿が見分けられるサングラスを手に入れる、
そして、彼らを倒すために戦う、
ということで、
ジョン・カーペンター監督らしいB級SF?
という予想の中で見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=7hbtKYEnyYo

たしかに、全体としてはB級なのでしょう。
ただ、ブラック・マンデーの翌年に発表されただけあって、
1980年代アメリカの、
物質主義、拝金主義(→レーガノミクスということですね)などが風刺され、
また同時に、
支配階級というものの「本音」がはっきり示されていました。
というもの、
例のサングラスをかけて街に出ると、そこここに、

従え
考えるな
眠ったままでいろ
結婚しろ、子供を産め
想像力を持つな
服従せよ

というメッセージが掲げられているのです。
つまり、
何も考えずただ働いて物質主義に溺れていてくれ、
ということなんですね。
(今の日本の話ではありません!)

そして支配階級と主人公たち弱者の差は、
高層ビル群を背景にしたバラックだらけのキャンプ、
という映像によって、
はっきり示されていました。
LA中心部と、スキッド・ロウです。

そして主人公役は、プロレスラーのロディ・パイパー。
このキャスティングには、
マッチョでたくましい戦う男性という、
「アメリカ」の神話が生きているのでしょう。
また、彼の相棒となる黒人男性は、
最初なかなか真実を見ようとしませんが、
結局は、主人公と協力することになります。
ただ、先に死ぬのは彼のほうです。
さらに一人、人間なのにエイリアンに協力する女性がいるのですが、
彼女は白人です。

闘いのシーンの長さを除けば、
なかなかおもしろかったです。