2016年8月11日木曜日

Loin des hommes

レダ・カテブ出演の映画、

Loin des hommes(2014)

を見てみました。

見終わった後に気づいたのですが、
この映画、去年日本で公開されていたのですね。

http://www.farfrommen.com/aljeria.html

日本版のDVD は、これから出るんでしょうか?
出るといいですね。
予告編です。

https://www.youtube.com/watch?v=77G5AmsL9xQ

アルジェリア戦争は複雑です。
フランス VS. アルジェリア
みたいな簡単な話じゃないんですね。
上に示した日本版のHP から引用すれば、

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フランス本土とフランス領であったアルジェリアの内戦であると同時に、
アルジェリアでフランス本国と同等の権利を与えられていた
コロンと呼ばれるヨーロッパ系入植者と、
ベルベル人やアラブ系住民などの先住民との民族紛争
及び親仏派と反仏派の先住民同士の紛争、
かつフランス軍部とパリ中央政府との内戦でもある。
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これが映画の背景です。

主人公ダリュは、フランス人入植者の子どもで、
アルジェリア生まれ、アルジェリア育ち。
第2次大戦では、司令官としてイタリア戦線に参加、
スナイパーでもありました。
今は、退役軍人として、アルジェリアの田舎の小学校で、
アラブ系のこどもたちにフランス語を教える静かな日々を過ごしていました。
そしてやがて、1954年が巡ってくるのです。

ある日、フランスの憲兵が彼のもとに、
一人のアラブ人(=殺人容疑者・レダ・カテブ)を連れてきます。
そして彼を、Tinguit の裁判所まで連行しろ、と命じられます。
彼はしぶしぶ、この大人しく敬虔な容疑者を一緒に出発します。

ところが、道中は危険だらけ。
まさに、1954です。
二人は無事につけるのか、
そもそも、このアラブ人の殺人とは何だったのか、
なぜ彼は逃げようとしないのか、
が、次第に明らかになります。

原作はカミュの、『追放と転落』の中の一篇、「客」。
映画の後読み直してみましたが、
短かいとは思っていましたが、
予想以上に短くて、
まあ、原作とはいっても、
枠組みだけ、という感じです。
(カミュの他の作品のエピソードも使われているとのことです。)

でも、レダ・カテブもいいし、
(ちょっと予習は必要だけれど)
いい映画だと思いました。