2016年9月5日月曜日

La Marseillaise

<古典>第6弾は、

La Marseillaise

これもルノワール。そしてルイ・ジューベ。

ちょっとこの時代のルノワールを整理しておくと


  • ジャン・ルノワールのトニ Toni (1935年)
  • ランジュ氏の犯罪 Le crime de Monsieur Lange (1936年)
  • どん底 Les Bas-fonds (1936)
  • ピクニック Partie de campagne (1936年)
  • 大いなる幻影 La Grande illusion (1937)
  • ラ・マルセイエーズ La Marseillaise (1938年)
  • 獣人 La Bête humaine (1938年)
  • ゲームの規則 La Règle du jeu (1939年)


  • wiki のコピペですが、こうなるわけですね。
    『トニ』については、『パリ移民映画』で触れました。
    『ランジュ氏の犯罪』は、労働者が(一応)勝利する話でした。

    で、『ラ・マルセイエーズ』です。

    http://www.dailymotion.com/video/xs5wwz_la-marseillaise-jean-renoir_shortfilms

    (日本版DVD、画質も音も、かなりひどかったです。
    それでも、Amazonで1071円なので、もちろん、
    出さないよりは出してくれてよかったのですが。)

    フランス革命。
    マルセイユの義勇軍500人が、
    パリへと上り、革命に参加する物語です。
    その中の一人ボーミエは、
    物語の終わり近く、
    戦闘中に亡くなるのですが、
    彼の死が「犬死 mourir pour rien」にならないようにと言う部下に対して、
    リーダーはこう言います。

    「いや、犬死になんかならない。
    たとえ(この後われわれが)プロシャ軍に負けたとしても、
    俺たちが世の中にもたらしたものは残るはずだ。
    かつて民衆(peuple)にとって自由とは、
    身分違いの女に恋するようなものだった。
    だが今や、突然、俺たちががんばったおかげで、
    恋人は民衆の腕の中。
    ……まだ妻ではないけれど、
    完全に自分たちのものにするには時間がかかるだろう。
    でも知り合えたんだ、
    たとえ引き離されてもまた巡り合える……」

    なるほど。
    その「身分違いの女」が、マリアンヌなんですね。

    上に挙げた一連の映画の中で、
    この『ラ・マルセイエーズ』の時間的舞台が一番古いわけですが、
    ピエール・マイヨーに言わせれば、
    それ以外の映画は、
    誰が、このマリアンヌを支えるのか、
    民衆~労働者なのか、
    ブルジョワなのか、
    それとも……、
    という問題を扱っていると言うわけですね。

    でも、この映画が、
    ジャン・ギャバン(労働者)の自殺で終わる映画と同じ年に作られているのには、
    今更ながら、考えさせられます。