2020年1月1日水曜日
Bonne année !
明けましておめでとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
みなさんにとって、よい年になりますように……。
で、
2020年最初にコメントする映画は、
Joueurs
です。
https://www.youtube.com/watch?v=7IJrElxp4Tc
タハール・ラヒム主演、
しかも彼が「博打打ち(joueur)」を演じるということで、
期待して見始めました。
パリの、なかなかいい感じのビストロ。
シェフと二人の娘、そして従業員も7,8人。
繁盛してる店です。
そこに、一人の若者が、ホール係のバイトとして採用されます。
彼、アベル(ラヒム)は、
ある夜の閉店後、
シェフの娘エラと二人になった時、
レジのお金を持って逃げ出します。
エラは追いかけ、メトロまでも追いかけ、
でも結局、アベルに引きずられるように、
とある秘密カジノにやってきます。
アベルは言葉たくみにエラを誘い込み、
ビギナーズラックでちょっとした大金を得ます。
アベルは、根っからの賭け事師だったのです。
そしてここから、
「かたぎ」の生活をしていたエラの、
愛と転落の物語が始まります……
前半、エラが賭け事とアベルの魅力に引き込まれていくくだりは、
なかなかよかったです。
ラヒムは、こういう、やさしげなワルを演じさせると天下一品。
惚れてしまう女性たちは少なくないだろうな、と思います。
ただ、映画としては、
中盤から後半がやや精彩を欠く、というか、
まとまりがない、というか、
ベタである、というか。
収斂して盛り上がっていく感じが足りないと思いました。
そこが、『ボニーとクライド』になれなかった点でしょう。
パリのカジノは、今はほとんど閉鎖されていて、
残っているのは、
クリシー広場近くの、
クラブ・モンマルトル、くらいのようです。
これです。
で、もちろんこのカジノも、映画の中に登場します。
また出てくる場所は、
サン=ドニ、サンティエ、クリシー、レピュブリック、などで、
しかもその「夜」の世界が中心です。
そこには、アラブ系はアフリカ系の人たちも多く、
その辺は、「メイン・ストリーム」とは違っています。
ただしこの流れ自体は、
2000年以前から始まっていましたね。
(たとえば『チャオ・パンタン』にも、
アラブ系もユダヤ系もいました。)
エラを演じたステイシー・マーティンは、
今調べたら、
リドリー・スコットの『ゲティ家の身代金』にも出てるんですね。
見てみましょう。