2020年1月19日日曜日

De sas en sas

Zita Hanrot つながりでもう1本、

De sas en sas     (2016)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=B-ExdPmMYjc

監督は、なんとラシダ・ブラクニ。
彼女にとっては、初の監督作品です。
出演はしていません。

この映画は、いわゆる群像劇で、
映画内のほとんどの時間は刑務所内です。
看守以外の登場人物たちは受刑者ではなく、
受刑者に面会にやってきた人たち。
で、彼らは、2人以外すべて女性。
アラブ系の女性が多く、
ヴェールをしている女性
(彼女は、義理の母親に連れられて、
まだ会ったこともないフィアンセに面会するのです)、
妊娠中の女性、
ちいさな女の子をつれた白人女性もいます。
で、
彼らは酷暑の中予定を合わせて面会に来たわけですが、
なぜか、なかなか面会にたどりつかない。
(タイトルの sas は、おそらく「エアロック」のことで、
エアロックにとざされた空間を移動させられる感じでしょう。)
こちらで待たされ、あちらで待たされ、
どこかで騒動が起き、
看守は姿を消し……
というわけで、
映画は次第に不条理劇の様相を呈し、
その中で、
女性同士の小競り合いが、
そして大げんかが勃発し……
という映画です。

演劇的な感じは、
たとえば『ガザの美容室』に似ているところもあります。
あちらも、出られなくなる物語でした。
『出口なし』、の系譜ですね。