2021年5月24日月曜日

ルノワール7作

今期に入って大学院で進めていた

<ジャン・ルノワール、初期7作を見る>

が、今日、コンプリートしました。
最後に残っていったのは、

『獣人』
『ゲームの規則』

の2本でした。
実は、前者の終わりで、
ジャン・ギャバン演じる主人公、
機関士のランティエは、
自らが運転していた機関車から飛び降り自殺をします。
これは……
「人民 peuple の死」であり、
そのために急停車した列車は、
「フランスの歴史」である……
というのが、1つの解釈です。
「人民」は、「フランス」を背負うことができないという、
きわめて厳しい認識が示されたことになります。
で、
続く後者では、
何やら奇妙な、侯爵とその階級の仲間たち、
彼らのお付きの人々、
などによる、入り組んだ宴がもようされます。
これなに??
と、学生時代、初めて見たときはとても戸惑いました。
でも、
このいかにも時代錯誤な、
いわば革命前に戻ったような雰囲気は、
前者の後に置いてみると、
ものすごく苦いものです。
フランスは、人民が「死んだ」あと、
革命前に戻ってしまった……

来週からは、大戦中の映画に入る予定です。