『スイス・アーミー・マン』(2017)
の話を院生たちとしたので、
久しぶりに見てみました。
この映画、とてもおもしろいんですが、
何かを言うのは難しいんですよね。
物語そのものはシンプルで、
無人島に漂着し、
孤独と倦怠の中で自殺しようとしていたハンクの前に、
ひとつの人間の体(生きてる? 死んでる?)が流れ着きます。
そしてこの身体こそ、後にメニーと名乗る人物(?)で、
彼が、スイスのアーミー・ナイフのように「役に立つ」ことが、
しだいに判明していきます。
奇想天外ですが、
とりあえずおもしろいし、
あまり「意味」を考えずに見ていると、
あっという間に見終わってしまう(いい意味で)怪作です。
A24らしい雰囲気もたっぷりあります。
このメニーとは何を象っているのか?
いろんな答えが可能でしょうが、
第一印象は、
もう一人のハンク、
あるいは、ハンクの中にある、可能性としてのハンク、
という感じです。
ハンクとメニーの対話は、
自分との問答のように聞こえるのです。
『エヴエヴ』も見たいんですが、
近場の映画館だと、
ちょうどいい上映時間がないんですよねえ……。