『その日がやって来る』(2023)
を見てみました。
舞台はボビニー。
時は大統領選挙前です。
青少年センターの指導員だったステファンは、
大統領選に立候補しているボビニー市長が街頭で遊説中、
たくさんのマスコミのカメラの前で、
この右寄りの市長を言い負かします。
それがきっかけで、なんと、大統領選に出馬することに。
結末では、選挙結果が出るわけですが、
むしろドラマのおもしろさは、
そこまでのプロセスにあります。
まさに「フランス」的なさまざまな政治的立場が、
ユーモアと皮肉交じりに描かれ、
わたしはおもしろかったです。
監督・主演は、ジャン=パスカル・ザディで、
彼は今回の作品を、
やはり監督・主演をこなしたこの作品の、
続編的な位置に置いているようです;
当たり前ですが、
たしかにテーマに連続性があります。
ステファンの母親を演じるのは、Salimata Kamaté。
彼女は、1956年にコートジボワールで生まれて、
当時はフランス領だったから「フランス人」になって、
1977年にフランスに来て、
やがてステファンを生んだ、という設定です。
また夫とは、分かれてから27年間経っているんですが、
この夫が登場して、一波乱巻き起こしもします。
サリマタ・カマテは、
『再興の花婿』では主人公の母、
『最強のふたり』ではドリスの母でした。
(ステファンの妻は、セネガル系という設定です。
ちょい役の警官の兄嫁は、コンゴ系だと言ってました。)
また、ステファンの選対部長(?)を務めるウイリアムは、
エリック・ジュドールが演じています。
彼は、この映画の主演でした;
これはおもしろい映画でした。
大統領候補の一人に、
過激な環境活動家でレスベアンの女性がいるんですが、
マリナ・フォイスがこの女性を演じています。
彼女の出演作はたくさん見てきましたが、
こういう、神経質で過激な女性、という役は、
彼女にとって1つのペルソナになってきているようです。
もちろん、コメディーなんかにも出てますが。
ボビニー市長を演じたのは、ブノワ・ポールヴールド。
『神様メール』はじめたくさん出てますが、
わたしは
が印象に残っています。