2023年3月7日火曜日

『ミス・フランス』

アマプラで見かけた映画、

『ミス・フランス』(2020)

を見てみました。
(この頃、あまりじっくり選ばないで、
とりあえず目についた映画はその場で見始める、
というのを時々やってます。
リストに入れちゃうと、結局見なくなりそうで。)


子どもの頃の夢が、
「ミス・フランスになること」
だったアレックス。
ただ彼は、そのご両親を交通事故で亡くし、
その後里親を転々とします。
そして今、24歳。
ボクシングでチャンピオンになった昔の同級生を見て、
自分も、
あの夢に挑戦しようと決心します。
「男」の体を手術したわけでもないけど、
「男女」なんか関係ないし!
というわけです。

物語は、こんなアレックスに協力的な仲間たち、
つまりアレックスが住むシェア・ハウスのメンバーたちの応援もあり、
次第に、コンテストを勝ち抜いていく過程を描きます。
で、最初の1/3くらいは、
スピードもあっておもしろいんですが、
中盤から、急にテンポ・ダウン。
なんというか、アレックスの挑戦に「意味」を持たせようとするあまり、
物語そのものの展開がおろそかになります。
(まあ、「停滞」の段階が、物語にはつきものですが。)
そしてたどり着いた結論も、
なんだか不明瞭……

フランスでの批判の中には、
結局自分の居場所に戻るだけの反動的な映画、
というものもあり、
アレックスを取り囲む人たちは特に、
この指摘が当てはまるようです。
年長の男娼ローラはいいキャラなんですが、
彼にとっては、
映画が終わった後も、
これまで通りの日常が待っているわけです……
また、「ミス・コン」というもの自体は相対化されてもいますが、
複数あるテーマがうまく収斂していない印象でした。