キム・ギドクが、
製作・脚本・演出した、という
『レッド・ファミリー』
を見てみました。
https://www.youtube.com/watch?v=-XlOOX4uW30
話は単純で、
北朝鮮の工作員4人が、
偽装家族として韓国に住み着き、
党からの指令を果たす一方で、
隣の家族と仲良くなる中で、
自分たちの置かれた立場、
自分たちの行為の意味について、
考え始める、という物語です。
工作員家族の隣の家族、
これは破綻しかかっている家族で、
当初は「腐った資本主義の恥部」というような見方だったのですが、
自分たちはといえば、
こうして命令されて生きるだけで、
家族に会うことさえ叶わない、
というかむしろ、
家族は人質としてとられているようなものなわけです。
それは、疑念も抱くはずです。
そして偽装家族は、
むしろ疑似家族になっていきます。
コメディ的でありながら、
実際はかなりまじめです。
ラストの運びも、
単なるコメディではありません。
あきずに、あっという間に見てしまいましたが、
そしてそれなりにおもしろかったのですが、
「家族」というものの位置が、
無条件にヒューマニスティック過ぎた気もします。