2020年3月15日日曜日

『Master/マスター』

オム・ジウォンの出演作ということで、

『Master/マスター』(2016)

を見てみました。


きわめて大掛かりなマルチ商法で大金を稼いだ稀代の詐欺師。
彼の手下の一人であるハッカー。
そして彼を追う敏腕刑事とそのチーム。
この三角形が物語の骨組みです。
(オム・ジウォンは刑事です。)
イ・ビョンホンとカン・ドンウォンというスターが出ていて、
この二人を見せようというところが少なからずあるので、
韓国映画としては、
ややゆるい&浅い印象でした。

詐欺師のパートナーとして、
キムママと呼ばれる女性が登場します。
演じるのはキム・ギョンで、
彼女は『暗殺』において、
親日家の富豪の妻であり、
同時に独立運動を支援する女性という役を演じていました。
(出番は多くないのですが。)

この映画を見たのは、
もともとオム・ジウォンが演じる役の意味を知りたかったから、
なんですが、
これは何のことはない、
男性上司をよく補佐し、
ある種のハニートラップを成功させるという、
旧来型のモデル通りでした。
むしろ女性としては、キムママのほうが目立っていたのですが、
彼女は、ボスを出し抜こうとし、
けれどもあっさり見破られ、
ためらいなく射殺されるという、
(厳しく言えば)浅知恵で惜しくもない、
という存在として描かれていました。
もちろん、本質的にホモソーシャルな世界を描いているわけですが、
ちょっと期待しただけに残念でした。