ホン・サンス監督の作品、
『教授とわたし、そして映画』(2010)
を見てみました。
4部構成で、
1,2は、同じ男性の現在と過去、
3は、彼の教授、
4はオッキという女性、
の視点で撮られています。
4のタイトルが「オッキの映画」で、
映画全体のオリジナル・タイトルも、
それと同じです。
三角関係の話です。
オッキは映画学科の女子大学生で、
彼女は、明らかに50代に見える教授のことが好きで、
一度だけ、ベッドをともにしたこともあります。
そしてもう一人の男性は、
オッキの同級生です。
つまり、男性教授と、
男女二人の教え子の間の三角関係です。
教授は、なんというか、
むだにロマンチックで、実は狭量な人。
まあ、年齢も行っているし、
映画監督でもあるということなので、
経験からくる知識はあるのでしょうが。
そして男子学生は、
女に目がないいいかげんな奴。
短期的には、「女を手に入れる」ために、
やみくもに一途になりますが、
そこにも、自己欺瞞の匂いがします。
そしてオッキ。
教授への接近は彼女の意思だったわけですが、
同級生との付き合いは、
必死で求められて、
その必死さにシンクロするように、
(相手の欲望そのものを欲望するように)
始まったものに見えます。
多くの人が指摘しているように、
ロメールやトリュフォーの雰囲気が思い出されます。
そうした「タッチ」が好きなら、
好きになれるのでしょう。
わたしの場合は、
終始苦笑いをしながら見ているような感じでした。
以前にも書きましたが、
小説家が出てくる小説、
演出家が出てくる芝居、
映画監督が出てくる映画、
こうしたものは、
基本的にわたしは苦手です。
今回も例外ではありませんでした。