今年に入ってから見た、
32本目(←数えてみました)の韓国映画は、
『インサイダーズ/内部者たち』(2015)
です。
https://www.youtube.com/watch?v=84mUza5yQuo
登場人物も多く、
やや込み入った話であるにもかかわらず、
引き込む力がとても強い映画で、
感心してしまいました。
エンタメ、と言えばそうなんでしょうが、
わたしが見た範囲のエンタメ系韓国映画は、
ハリウッド的な軽薄なスリルで満足することなく、
もっと(いい意味で)がつがつした、
より人間の「業」に近い部分にまで手を突っ込んでいる作品が多い気がします。
だから、ある「迫力」が生まれ、
それが見るものを引っ張ってゆく力になるのでしょう。
(ただし、繰り返し書いている通り、
それがしばしば、
男性中心的なホモソーシャルな世界を舞台にしている点が、
片肺飛行的な印象を与えもするのですが。)
今回の映画も、
大統領を狙う政治家、建設会社社長、新聞社の主幹、
がつるみ、
そのサークルは検察の上層部とも通じている、
という構図の中で起きます。
そしてこのサークルの背後には、
より抽象的ではありますが、
学歴主義的で、ネポティズムが跋扈する韓国、
というものが横たわっています。
物語は、一人の若い「コネなし検事」と、
あのサークルの下っ端に位置する「ゴロツキ」を中心に展開します。
検事は、コネがなくとも這い上がろうともがき、
ゴロツキは、陥れられ、復讐を期しています。
そしてこの二人の道行きが重なったところで、
スパークが起きるわけです。
何も知らずに見始めたのですが、
韓国では、大きな賞を2つも獲得している作品でした。
わたしは韓国映画の「にわかファン」なので知りませんでしたが、
きっと有名な映画なんでしょうね。