2020年2月3日月曜日

『犯罪都市』

3年ほど前、
韓国で大ヒットしたという映画、

『犯罪都市』(2017)

を見てみました。
たまたま予告編を見て、
主人公マ・ドンソクのキャラに惹かれました。

http://www.finefilms.co.jp/outlaws/

ギャング映画で、
ギャングA とB が対立していて、
主人公である刑事がそれを和解させたのも束の間、
ギャングC が現れ、
Aを乗っ取り、B と「戦争」に発展する、というお話。
ところどころギャグも入り、これもなかなかおもしろいです。
興味を引かれたのは、
ギャングC の位置づけです。
金に執着し、殺しをためらわず、
しかもかなり残虐な彼らは、
中国朝鮮族なのです。
(若いボスの出身はハルビン。)

90年代以降に増えた中国朝鮮族ですが、
彼らは、一旦韓国に住み着けば、
「韓国系中国人」ということになります。
韓国の人にとって見れば、
「同胞」でありながら、言葉も価値観も違うわけです。

で、実際に見て確認したわけではないのですが、
この中国朝鮮族が映画に出てくる場合、
ギャングや犯罪者であることが多いようです。
しかもそれは、現実とはちがう。
韓国のメイン・ストリームの社会/映画が、
朝鮮族をある種のスケープゴートにしているわけです。
だとするならこれは、
フランス映画のメインストリームにおけるアラブ系などと、
パラレルだと言えそうです。
(時代は少しずれていますが。)

エンタメとしてはかなりおもしろいんですが、
(『タクシー運転手』の、強面の私服刑事が、
今度は小心者の中間管理職だったりもして)
根本的な移民の描き方については、
ラベリング的で安易だとは言えるのでしょう。