ハリウッド・テンの一人で、
証言を拒み投獄を経験し、
その後偽名を使って、
『ローマの休日』などを世に送った脚本家、
ドナルド・トランボ。
彼と、彼の家族、彼の仲間たちにとって、
「赤狩り」が何であったのか、
を描く映画、
『トランボ ハリウッドで最も嫌われた男』 (2016)
を見てみました。
(副題は蛇足な気がしますが。)
https://www.youtube.com/watch?v=3OqZSbyxctI
今の時点から見れば、
「赤狩り」は理不尽そのもの。
(治安維持法がそうであったように。)
でも、事実として、
その理不尽なものに翻弄されてしまうこともあるわけです。
失業、離婚、自殺……。
そして形を変えた「赤狩り」は、
たった今も、いろんな場所で進行しているわけです。
だからこそ、
この映画は作られたんでしょう。
ただもちろん、
2時間ちょっとの映画では、
いわゆる史実が、
正確に十分表現されているとは言えないのでしょう。
マッカーシーの登場する部分も少ないし、
トランボ以外のハリウッド・テンへの言及も少ない。
それでも、
ジョン・ウエインやカーク・ダクラスは実名で登場していて、
ある程度の現実感は備えているように思いました。
本筋から離れますが、
トランボの妻役を演じたダイアン・レインは、
やわらかくていい感じ。
彼女は、
『アウトサイダー』(1983)の頃から見てますが、
すごく大人になったんですね。