2020年2月24日月曜日

『生き残るための3つの取引』

ファン・ジョンミンと、
へ・ユジンが激突する刑事もの、

『生き残るための3つの取引』(2011)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=0fSM7tiZH8M

ファン・ジョンミンが演じるのは、たたき上げの刑事。
彼は、同じたたき上げ組の精神的リーダーですが、
軟弱な高学歴の刑事が先に出世していくのには、
我慢なりません。
へ・ユジンが演じるのは、ゼネコンの社長。
とはいっても、彼が率いる組織は実質やくざです。
この二人に、
若く、コネがあり、ジコチューな検事が加わり、
駆け引きと武闘が繰り広げられてゆきます。

ジョンミンもユジンも、
さすがの存在感で、
これはとてもよかったです。
特にユジンは、そのオーヴァーで、
どこか自己批評的な演技に惹かれます。

この映画の特徴は、
「勧善懲悪」とはかけ離れていること。
というのも、上記の3人が、
3人ともクズなんです!
で、クズ同士の戦いに勝利したかに見えるのは、検事です。

見終わった直後は、
クズばかりだしなあ……、
とも思ったのですが、
こういう利己的な「現実感覚」みたいなものが、
韓国社会にわりと広がっているのかな、とも想像しました。
あるいは、そうした広がりが批判されている、
ということもあるのかもしれません。
また、ストーリーとして、
勝ち残ったのが検事だというのは、
これは悪くないかも。
曲がりなりにも、
検察が機能してるってことですからね。
そうです、
検事長の定年延長などと言う茶番が目の前で展開してる国の人間としては、
特にね。

というわけで、
この映画を見ての感想は、
三権分立は壊さないでね、
ということでした(!?)