2020年2月14日金曜日

『嘆きのピエタ』

キム・ギドク監督の代表作の1つ、

『嘆きのピエタ』(2012)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=sSyVsVStrqc

かなり「残忍な」若き借金取り、ガンド。
途方もない利子を、
障碍者になってその保険金で払え、
と相手に迫り、それを実行させます。
サイコパスにしか見えません。
ただ彼は彼で、
生まれてすぐ母に捨てられ、
家族というものを持ったことがありません。
愛される、という経験と、彼は30年間無縁なのです。
そんなある日、突如彼の前に、
母親を名乗る女性が現れます。
ごめんね、と言って、彼女は泣くのでした……

ここまでで、映画全体の20%くらいでしょうか。
結末は、誰にも予想できないようなものです。
それも含めて(それだけじゃないですが)、
迫ってくるいい映画だと思いました。
(突っ込みどころがないわけじゃないけれど、
それは言わないことにしましょう。)
ソウルの、清渓川周辺の「スラム」が登場し、
経済的に追い込まれた零細の町工場が描かれます。
物語の背景にあるのは、もちろんこの貧困です。

ピエタ、ですね。
これはいいタイトルだと思いました。