2020年4月27日月曜日

『目撃者』

パワポとZoom、
やっと一段落したので、
ひさしぶりに韓国映画です。
仕事後で、あまり集中力がないので、
分かりやすそうなやつを、
ということで、

『目撃者』(2018)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=iYSv8j8Ayak

中年夫婦と幼い娘。
彼らは、郊外に買った念願のマイホームに引っ越したばかり。
それは複数の棟で構成されるニュータウン風の土地です。
比較的「いい階層」の人たちが住んでいると言われています。
で、ある夜、飲み会の後、
午前二時ごろ帰宅した夫は、
女性の悲鳴を聞きます。
窓辺によって外を眺めると、
まさに、女性が殺されるところでした。
震えあがった彼は、けれども、
警察に通報しませんでした。
それどころか、警察の聞き込みにも知らんぷり。
巻き込まれるのはイヤ…… そう思っているわけです。
でも、実は犯人は、
この夫に見られたことを知っていて……
というお話。

この小心でわがままな主人公には、
けっこうイライラさせられますが、
それも制作側の狙い通りなんでしょう。
現代韓国における、他者への無関心。
なにかにコミットすることへの拒否。
関心があるのは自分の資産だけ……。
こうした傾向を告発するわけですが、
それはまあ、単純と言えば単純な内容です。
それがどこから来たか、などは説明されません。

イ・ソンミンは、
いつもはナンバー2的な役が多い印象ですが、
今回はバリバリの主演。
小心な感じはよく出ていた、かな。

よかったのは、彼の妻を演じるチン・ギョンです。
彼女は、『マスター』での、いい女風のワルや、
『監視者たち』での、
きわめて頭脳的なチーム・リーダーなどの印象が強いですが、
今回は、
(『ベテラン』の時とちょっと似ていて)
主人公の妻と言う役どころ。
でも、しっとりして、パリっとしていて、
いい感じでした。

映画としておもしろくなくはないんですが、
やっぱり、ちょっと厳しい点がいくつかあった気がします。
まず、刑事役のキム・サンホですが、
あまりぱっとしない気がしました。
それから犯人の人間性の描写がほとんどなく、
最後に、言い訳風に付け足していただけなのが、
ちょっと弱い、かな。

でもまあ、やっぱり映画は楽しいですね。