2020年4月7日火曜日

キリンとウイルス

ウイルスについて、
このところいろんな記事を見かけます。
なかでは、さすがに福岡先生のこの記事はおもしろかったです。

https://www.asahi.com/articles/ASN433CSLN3VUCVL033.html

で……

キリンの首はなぜ長いのか、というのは、
いわば進化論に関わる定番の質問ですが、
これがなかなか複雑です。
そもそも、
ダーウィンの適者生存説はトートロジー的だという指摘もあります。
つまり、
適者が生存する、
では適者とは誰か?
それは生存したものである……?
これでは、小泉純一郎の、
自衛隊が行くところは非戦闘地域だ、
では非戦闘地域とは何か?
それは自衛隊の行くところだ……
と変わりません。
まあ、それはともかく……

広く知られている通り、
かつて首の短いキリンがいて、
あるとき一斉に、
首が長いものに取って代わられた、といいます。
(一斉に、というのは、10万年くらい?)
首が中くらいのきりんの化石が出てないので、
徐々に伸びたわけではないというわけですね。
では、どうやって一斉に変わったのか?
突然変異した個体が「適者」となり、
しだいにそれが生き残っていったのか?
それは、第一感、違う気がします。
では?
そこで一つの仮説として出てくるのがウイルスです。
なんらかのウイルスがキリンの間に蔓延し、
そのDNAを一斉に変化させたのではないか、
というわけです。
(人間のDNAにも、ウイルス由来のDNAが含まれています。)

生物の「進化」は、
時間軸に沿って進んでゆきます。が、
ウイルスは、横断的に、
ある種に蔓延し、
その種に何らかの変更を迫ることがあるわけです。

今回のウイルスで、わたしたちは、
自分たちの世界の成り立ちを再考することを迫られています。
それは、ヴィジョンなきものがヴィジョンを持つために、
必要な苦しみでなのでしょう。
ただ、そうしたレベルだけではなく、
もっと生物学的な次元でも、
わたしたちが気づかないうちに、
なんらかの更新が進んでいるのかもしれません……