『プンサンケ』(2011)
を見てみました。
(「プンサンケ」とは、
北朝鮮の狩猟犬の一種の名称だそうです。
主人公が持っていたタバコの銘柄の名前でもあります。)
脚本はキム・ギドクです。
https://www.youtube.com/watch?v=MOASXHLctlI
主人公は運び屋です。
といってもただの運び屋ではなく、
彼は北朝鮮と韓国の間で、
手紙なりヴィデオなり、
場合によっては人までも配達するのです。
で、その彼の存在に気付いた韓国の情報局が、
試しに、北朝鮮からある女性を連れてくるように依頼します。
彼女は、すでに脱北している北朝鮮高官の恋人なのです。
運び屋は、
この不可能と思える仕事を、見事やり切ります。が、
情報局は彼を裏切り、捕えてしまいます。
ただもちろん、
そんな簡単に捕まったままでいる彼ではありません……
主人公は無口です。
というか、言葉は一言も発しませんでした。
その理由は分からないのですが。
いくつか、つっこみどころは確かにあります。
でも、わりといいとわたしは思いました。
恋愛映画としても見ても、
ちょっと初めてみるような演出もありました。
また、
南北の対立する人間たちが戦う場面では、
その虚しさというか、
「国家」というものの虚構性そのものが浮き上がり、
よかったです。
*
今日の午前中、BS-NHKで、
激動の世界をゆく 「韓国 “隣人の素顔”を探して」
という番組(の再放送)を見ました。
そこで、ある脱北者のワカモノが、
「2018年には、
北でも、南北統一を歓迎する人たちが多くいた。
ただ彼らは、完全に洗脳されているので、
自分たちこそが、
韓国を迎え入れてやるんだとしか思っていない」
と語っていました。
また、
「南北統一を願っているが、
キム・ジョンウン政権で統一してもだめだ。
民主主義で統一して欲しい」
とも。
ムン・ジェインは革新派で、
統一を進める気は十分あるようですが、
一方では、
北朝鮮に気を遣うあまり、
脱北者の支援が不十分だと言われています。
この番組で紹介されたワカモノたちは、
そうした不平を漏らしてはいませんでしたが。
今韓国で、南北統一を願っているのは、
50%強です。
2018年には、60%近かったのですが。
これは単に二者の問題ではなく、
アメリカも、中国も絡んでいて、複雑です。
ムン・ジェインが言う、
2045年までに統一、というのは、
実現するのでしょうか?