2021年3月11日木曜日

『オロトゥーレ』

ハリウッド、ボリウッド、と(一応)並び称される、
ノリウッド。
ナイジェリア映画のことですね。
(もう少しローカルですが、
ナイジェリアのカノで作られるイスラム系の映画を、
カニウッド、と呼ぶこともあるようです。)

最近気づいたのですが、
ネトフリには、10本以上のノリウッド作品が挙がっています。
せっかくなので、とりあえず、と思って見てみたのが、

『オロトゥーレ』です。


この「オロトゥーレ」というのは、
ヒロインの名前です。
彼女はジャーナリストで、
ナイジェリアの人身売買の現状をリポートすべく、
売春婦になりすまして潜入取材を試みます。
やはりジャーナリストである恋人が、
バックアップします。

映画が始まった当初、
色彩は豊かだし、音楽は派手だし、パーティーはあるしで、
なかなか賑やかで元気のいい映画だと感じました。
が、
ある晩ヒロインが、売春婦として出かけた政治家のパーティーで、
薬を飲まされ、乱暴されてしまいます。
これは単純にびっくり。
どうやらわたしは、無意識のうちに、
女性記者はどんな危機にあってもギリギリでうまくかわし、
ワルの組織には鉄槌が下るだろうと思っていたようです。
実はこの映画、そうじゃありませんでした。

ヒロインと仲良くなる売春婦は、
田舎にいる妹と一緒にヨーロッパに渡ることが夢で、
ブローカーにお金を渡しています。
たまったら、連れてってやる、というわけです。
で実際、やがてお金がたまり、
彼女と妹は、他の10人ほどの売春婦と一緒にバスに乗せられるのですが、
こうした流れを取り仕切っているマフィアは、
たしかに彼女らを渡欧させはするものの、
それは彼女らを売春婦として働かせるためなのです、ヨーロッパで!

ひどい現実です。
でも女性たちには、この渡欧以外、
現状を変える選択肢はないのです。
たとえ、今より悪くなるかもしれないとしても。

特に印象に残ったのは、
マフィアが、女性たちを洗脳しようとするシークエンス。
魔術師は、女性たちを裸にし、
その肌に動物の地を塗ったかと思うと、
今度は棺に横たわらせ、
主人に背いたらわたしは棺に入る、
と唱えさせるのです。

軽い映画だろうという予想は裏切られました。
この映画で描かれたナイジェリアは、
ほとんどディストピアです。