『消えたアイリス』(2016)
を見てみました。
(原題は Iris 。
もちろん「アイリス」ではなく「イリス」。
女性の名前です。
劇中の字幕では「イリス」なのに、
なぜかタイトルは「アイリス」。
C'est quoi, ça ?
物語は、ちょっと複雑。
(予備知識ゼロでも十分ついていけますが。)
パリ3区にある銀行の経営者と、その妻がいて、
あるランチの後、妻がいなくなります。
そしてその午後、
仕事に戻った夫に一本の電話が。
奥さんを預かっている、返してほしかったらお金を。
でも実は、奥様と犯人はグルなのでした……。
ただここまでで、話の10%ほど。
このあと、いくつもの「実は……」が繰り出されてゆきます。
いわゆるフランス的「エロスもの」扱いのようですが、
その点はまあそれほどでもなく、
むしろ物語の変化が見どころなんでしょう。
まあ、75点くらい?
ロマン・デュリスという俳優は、
なんといっても、
いつまでたっても大人になれない「可愛い」やつ、
という役を演じると、
鼻白むくらいハマリます。
ただ今回はそうではなく、
貧しく、バツイチの、前科のある冴えない男、の役です。
彼なりによかったと思います。
ちょっと重さがないけれど、
その分たしかに華はあるのです。
銀行家の妻を演じたのは、
かつて『日々の泡』にも出ていたシャルロット・ル・ボン、
刑事役には、わたしの好きなアデル・ベンシャリフ。
彼は、『サンバ』では偽の滞在許可証を売り、
『パリ、ジュテーム』の「お祭り広場」では、
主人公からギターを奪うチンピラでした。
『預言者』や『クロース・エネミーズ』にも出てましたね。