ネトフリにあることに気づいて、そのまま視聴に突入しました。
『ウエストインディーズ・ギャング』(2016)
原題は Le Gang des Antillais ですから、
アンティル諸島の人々のギャング、のことです。
(つまり、邦題の「西インド諸島」は、
厳密には、やや広すぎるわけです。)
舞台は1970年代のパリ。
(といっても、パリの景観はほぼまったく目を引きません。
バルベス、などが、名前として出てくるのみ。)
60年代に始まった、BUMIDOMという制度、
つまり、海外県から、就職斡旋付きで「本国」に移住する制度を使って、
多くの移民がフランスにやってきたのですが、
そうした人たちの中に、
主人公ジミーも、
彼の仲間になる3人の「ギャング」たちも、
ジミーの恋人のリンダも、いたわけです。
ただ、
この片道切符だけを支給するやり方は、
うまく機能しませんでした。
仕事と言ってもそれは、掃除夫、家政婦、
のようなものがほとんどで、
そこには実体化された差別が厳然とあったからです。
こんな状況の中で、
主人公たちは、「ギャング」となってゆくわけです。
(といっても、少人数で郵便局を襲うだけです。
基本的に、人は傷つけません。)
このギャングたちがやや特殊なのは、その動機においてでしょう。
もちろん、お金のための犯行ですが、
そこには、資本主義への反逆、
(この時期、カリブ海出身者の間では、
キューバ的な社会主義革命が目指されていました。)
アンチ白人思想、
差別への反感、
なども入り混じっているからです。
もちろん、革命絡みの映画だと、
こういうことはあるわけですが。
そしてまた、今回のこの映画が、
そのあたりを深く描き切れているかと言うと、
必ずしも oui とは言いにくいかもしれませんが。
そしてこの映画、
詳しい事情は分からないのですが、
出演者の顔ぶれが変わっています。
しがないカフェの店長にマチュー・カソヴィッツ、
主人公の子ども時代を知る女性にロマーヌ・ボーランジェ、
主人公の恋人をジタ・アンロ、
(ジャマイカ系の彼女は今回、
カールの強い髪型で登場します。)
そして何と言っても、
実名で登場するシャモワゾー役を、
リュシアン・ジャン=バティストが演じているのです。
グアドループ系で、クレテイユを描いた映画の、
監督・主演でした。
この最後の映画は、ネトフリで見られます。
『目元が似てる君へ』、です。