フィルム・ノワール的なタイトルで、
実際そうでした。
チョ・ピロは悪徳刑事。
こんな給料でやってられるか、
というわけで、積極的・計画的にもろもろ盗みます。
ただ、ある時、
警察の押収品の保管庫から麻薬を盗み出そうとしたとき、
まさに盗むの真っ最中に火事が起こり、
若い相棒が死んでしまいます。
実はこの火災、チョ・ピロとはまったく関係ない事件に絡んで、
周到に仕組まれたものでした。
ここから、
2つの事件が交錯し、
思わぬ展開に発展する……というわけです。
ただし、ほんとうに「思わぬ展開」かといえばそうでもなく、
もうそういう展開しかない、と、
すぐに分かります。
そういう意味では様式的で、
ただ、様式美までいってないのが、やや弱い、かな。
小さなことで印象に残るのは、
チョ・ピロのなくなった相棒の女友達のこと。
彼女が着ているジャージは、
実は、セウォル号事件で亡くなったかつての親友のものなのです。
若い子の命が失われた、そのことを記憶すること、
その鎮魂を行うこと、
それが、この映画の背負うものだと言えば、
ちょっと言い過ぎでしょうか?
(やっぱり言い過ぎかな。)