『新宿パンチ』(2018)
サクッと見てみました。
おもしろかったです。
主人公である方正くん(とその父親)の髪は、
パンチ・パーマを当てたわけでもないのに、
どこから見てもそう見えてしまいます。
で、それが、
彼(ら)の、対他的イメージを決定づけてしまう、というわけです。
もちろんこれは、
個人が、生まれながらに背負ってしまった、
逃れようのないナニモノカの象徴なのでしょう。
その意味では、人はみな「パンチ」なわけです。
で、
その「パンチ」を背負ったまま、
彼は田舎から、新宿にやってきます。
そして彼が歌舞伎町に到着したとき流れるのは、
この曲です。
これは、この映画が、
「上京者」の物語であることをはっきりと示しています。
(実は、ヒロインも「上京者」です。)
歌舞伎町という、東京の臍の1つを舞台として、
上京者を描く。
これは珍しいことではありません。
方正くんとそのカノジョは魅力的だし、
テンポも軽快で、
強烈な「悪」が登場するわけでもないので、
最後まで気持ちよく見られます。
それははっきり美点だし、
そういう作品をあえて作ったのだと思えます。
ただ、
(制作者たちは百も承知でしょうが)
その分、「甘い」人間たちが多いし、
ラストで語られるメッセージもまた「甘い」印象です。
でも、たしかに、
この映画に「厳しさ」はいらない、
という考え方も理解できます。
そういう作品はたくさんあると言えばあるし。
それにしても、
「洒落男」が流れるということは、
これも授業のネタになります。
ラッキー!