2021年9月18日土曜日

『新宿パンチ』

ネトフリ散歩中に気になったこのタイトル、

『新宿パンチ』(2018)

サクッと見てみました。
おもしろかったです。


主人公である方正くん(とその父親)の髪は、
パンチ・パーマを当てたわけでもないのに、
どこから見てもそう見えてしまいます。
で、それが、
彼(ら)の、対他的イメージを決定づけてしまう、というわけです。
もちろんこれは、
個人が、生まれながらに背負ってしまった、
逃れようのないナニモノカの象徴なのでしょう。
その意味では、人はみな「パンチ」なわけです。

で、
その「パンチ」を背負ったまま、
彼は田舎から、新宿にやってきます。
そして彼が歌舞伎町に到着したとき流れるのは、
この曲です。


これは、この映画が、
「上京者」の物語であることをはっきりと示しています。
(実は、ヒロインも「上京者」です。)
歌舞伎町という、東京の臍の1つを舞台として、
上京者を描く。
これは珍しいことではありません。

方正くんとそのカノジョは魅力的だし、
テンポも軽快で、
強烈な「悪」が登場するわけでもないので、
最後まで気持ちよく見られます。
それははっきり美点だし、
そういう作品をあえて作ったのだと思えます。

ただ、
(制作者たちは百も承知でしょうが)
その分、「甘い」人間たちが多いし、
ラストで語られるメッセージもまた「甘い」印象です。
でも、たしかに、
この映画に「厳しさ」はいらない、
という考え方も理解できます。
そういう作品はたくさんあると言えばあるし。

それにしても、
「洒落男」が流れるということは、
これも授業のネタになります。
ラッキー!